犬の心臓は、人間と同じように左心室・左心房・右心室・右心房と、4つの部屋に分かれています。そして、左心房と左心室の間にある弁のことを「僧帽弁」と言います。この僧帽弁に異常が起きて完全に閉じられなくなると、血液が逆流して疲れやすくなったり咳をしたりするようになります。また、悪化すると舌が紫色になっていき(チアノーゼ)、肺に水が溜まって(肺水腫)、最悪の場合は呼吸困難になって死に至ることもあります。早期に発見できれば、お薬を使って進行を緩やかにする治療が可能です。マルチーズ、シーズー、キャバリアキングチャールズスパニエルなどは特に発症しやすい傾向にありますが、ほぼすべての犬種で見られる病気です。