先日、無麻酔でワンちゃんの歯石除去(スケーリング)をしてい京都のペットサロンの

経営者が書類送検されたとニュースになりました。

麻酔の恐怖を煽り無麻酔でスケーリングするペットショップ、ペットサロンは全国的にあり、

山形県内にも存在しているようです。

こう云った所でスケーリングをする事は以前から問題となっていたもののグレーな扱いでした。

今年1月農林水産省が

「スケーラー(歯石を取る為の金属の器具)を使った歯石除去は獣医師以外違法」

との見解をハッキリ出しました。

 人間の場合スケーリング処置の間、口を開けて居てくれますが、

ワンちゃんネコちゃんはそうは行きません。

歯石は歯と歯肉の境目から付着が始まり、歯石の除去は歯肉の下の部分の除去が大切で

歯表面だけの除去では意味が有りません。

また歯の舌側の歯石も勿論除去の必要があり、見えない部分の除去が大切で全身麻酔が必要なんです。

スケーリング後はポリッシングと云う処置が必須です。

スケーリング後の歯の表面は実はザラザラしていて新たな歯石が付きやすい状態です。

その為研磨剤とブラシを使って表面を滑らかにしています。

(歯科医院でもスケーリングの最後にやりますよね)

ペットショップ、ペットサロンでのスケーラーを用いない”歯磨き”は違法では有りませんが、

1ヶ月に1回トリミングの際”歯磨き”をしても残念ながらほとんど意味は有りません。

人間は1日複数回歯磨きをしているにもかかわらず歯石が付いてしまい、

歯科医院にてスケーリングを行います。

(1ヶ月に1回の歯磨きで十分だとは思わないですよね)

ワンちゃんネコちゃんも毎日食事をして歯垢歯石を作ります。

歯石はまさしく“石”ですから歯ブラシでは決して取れません!

病院では歯ブラシを勧めて居ますが、それは

「今日食事をして付いた汚れを、今日のうちに取る」と云う意味です。

硬い歯石に歯ブラシでは到底太刀打ち出来ませんから、

必死になってブラッシングする事で歯肉にダメージを与えない様にご注意ください。  

  

鏡どうぶつ病院