キシリトール中毒
キシリトールは虫歯予防などの目的で、ヒトが使用している身近な甘味料です。
多くの果実、野菜に含まれ工業的には白樺や樫の木などから抽出されます。
ヒトには安全ですがワンちゃんが摂取した場合は、
中毒を起こすキケンな物質であるため注意が必要です。
ワンちゃんが自らキシリトールを摂取する事はもちろんありえません。
ヒトのキシリトール製品(ガム、タブレット)を誤食した事によっておきます。
キシリトールは消化管に入ると速やかに吸収され、
インスリンが過剰に分泌されその結果重篤な低血糖をおこします。
驚く事にインスリンの分泌量は同量のグルコースを摂取した場合の2〜7倍多い様で
摂取後1時間以内に血糖低下を認めます。
初期症状は嘔吐、その後運動失調、傾眠、
低血糖が重度な場合虚脱、ケイレン発作がおきます。
更に肝臓の細胞の壊死を引き起こします。
肝障害が重篤化した場合、出血、黒色便が認められます。
誤食した物によりキシリトール含有率が異なり、
どんな製品を誤食したかは経過予測のため大切な情報です。
症状や血液検査の結果だけではキシリトール中毒との診断は不可能で、
一般的な中毒での治療とは異なる為、誤食の確認は大切です。
ちなみにネコちゃんは有害作用を示さず、もしあっても軽い様です。